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救世主にはならない
切菊。
星ぽけだんのネタバレっぽい部分があるので
プレイ中、プレイ予定のある方は注意。


++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「誕生日プレゼント、っスか?」
「ああ。ちょっと早いけどな。
元レギュラー全員から、
跡を引き継いで頑張ってくれている可愛い後輩に。」
にっこり。と微笑みながら綺麗にラッピングされた包みを差し出しているのは、
先月まで部長を務めていた幸村だ。
やさしげな風貌なのだが、その中身は鬼である事を
可愛い後輩、こと切原は知っている。
何か裏があるに違いないのだが、
その疑問を口にしたら最後、
余計な厄介まで引き寄せてしまうだろうことは
経験上予想できる。
ので、話題をプレゼントの方へ向ける。

「みんなから、って…」今目の前に居るのは幸村一人だ。
昼休みに自分の教室に大人数で押し掛けられるよりはマシだが。
「…開けていいっスか?」
「どうぞ。遠慮は要らないよ」
「はあ」
緊張からか、いつもは乱暴にびりびりと破るところを
こころもち丁寧に開ける。

「…ゲームソフト?」
「うん。」
「この間発売したヤツっスよね。子供に人気の。
…何で俺にこれを?」
特に好きと言っていたわけではない。
嫌いでもないが、
携帯ゲーム機でちまちまプレイするより―一応ハードを持っているが―
大画面で格闘ゲームをプレイする方が好きだ。
困惑する切原に、幸村は笑顔を絶やさず
「そう。子供に人気だってね。
ほぼ同じ内容だけどバージョン違いで二種類出てるんだってね。
柳が、青学のお子様がソレと別バージョンの方を買ったって言う情報を手に入れて。
でも周りに買った人が居なくて淋しそうだってさ。
恋人なんだろ?
相手してやりなよ」
青学のお子様?と疑問符を浮かべた切原だったが、恋人、の単語に理解する。
「へ? き、菊丸さんの事っすか?
つかそれって俺へのプレゼントっていうよか
菊丸さんにプレゼント、になるんじゃ」
「そりゃあね。うちの問題児を引き受けてくれてるお礼しておきたいしね。」
「なんすかソレ」
「それに、お前も嬉しいだろう?菊丸が喜んだら」
「そりゃ、まあ」
「じゃ、頑張って。」
勿論、部活と勉強にさしさわりがない程度にな?
と、念を押すのを忘れずに幸村は笑顔のまま去って行った。

早速菊丸に連絡を取ると、大層喜ばれ、
お互いがある程度話を進ませたら
直接逢って通信で交換などをすることに決め、
そしてお互いの都合がついた三連休の中日に
菊丸は切原宅を訪れた。

「菊丸さんどんだけ進んだんスか?」
切原は菊丸のゲーム機を勝手に立ち上げデータを確認する。
「あっ!お前勝手に〜」
暦の上では大分前から秋なのだが、まだまだ残暑が厳しい。
最寄りの駅まで切原に迎えに来て貰い
お互いの近況を話しながら歩いて、
ようやく家に着いた時には喉がからからになっていた菊丸は、
出されたジュースを美味しそうに飲み干していて
切原の行動に気付くのが遅れた。
切原は悪びれもせず、奪い返そうとする菊丸の手を避ける。
「いーじゃないっスかー。
ふーん、大体同じくらいっスかね。
話一段落して…
…って、」
かちかち、とボタンを押してデータを見ていた切原の手が、ぴたりと止まる。
「…何?」
「何で主人公『ユキムラ』なんスか」
「や、なんか底知れない感じだし。
思い付かなかったから知ってる人の名前にしたんだけど」
「それはわかるんスけど何でよりによって…
うわ、パートナーの名前『サナダ』だっ」
「ユキムラの相棒なら真田かなーと。
ヤナギとイヌイでも良かったんだけど」
「…どっちにしろ洒落にならないような…」
「そういう切原はどーなんだよ?」
菊丸は切原のゲーム機を手に取ると、データを見た。

「…主人公が俺の名前なんだ…
自分の名前じゃなくて?」
「…自分の名前はパートナーの方に付けたんスよ」
「……」
菊丸は、複雑な表情をし目を反らした切原を、じっと見つめた。

短い沈黙の後、切原が口を開いた。

「選択肢ねーのはあんまりッスよ。
主人公はパートナーにちゃんと話するべきだったんじゃないんすかね?」
それが、ゲームの物語のクライマックスについてだという事は直ぐにわかった。
「選択肢って、どんな?」
「…世界を救うか、
その役目を投げ捨てて主人公とパートナーが生き延びるか。
俺がパートナーでああなることを先に知ってたら
きっと世界を捨ててた」
自分の名前をパートナーの方に付けていたからか、
切原の目線は主人公側ではない。

「最終的には幸せになれるのに?」
「そんな不確定な未来にすがれないっすよ。
菊丸さんが、目の前で消えたりなんかしたら、
いくら菊丸さんが生きろって言ってくれたとしても
淋しさできっと死んじまう。」
「切原」
「言ったでしょ。聞いてたんスよね?
アンタは俺にとっての世界そのものだって」
言いながら、切原はゲーム機を床に置くと、菊丸を抱き締めた。

逢えない不安と切なさに、立海まで逢いに行った時
柳の「世界を敵に回しても菊丸への想いを貫くか」との質問に
切原はそんなふうに答えていた。
自分にとっての世界とは菊丸の事だから、難しい質問だ、と。
その言葉を偶然―柳と乾の策略だったみたいではあるが
切原の答えは柳の予想を上回っていたらしい―菊丸は聴くことができた。
以来、菊丸の不安は大分薄れた。
滅多に逢えないのは、やはりつらいけれど。

「…なんて考えになるヤツは
そもそも選ばれないんでしょうけど」
「切原」
「でも、わかったことがあるッス」
「…なに?」
菊丸がドキドキしてしまうほど愁いをおび、真剣な様子だった切原は、
一転、普段のおどけた様子に戻り、
菊丸は面を喰らった。

「人生一瞬後には何が起こるかわかんないんスから
したいことを我慢してるのはあんま良くないんじゃないなかー、
って事」
本能的に危険を感じ取り離れようとする菊丸を、
切原は力づくで引き寄せ一緒にベッドの上に倒れ込む。
「きり、」
「これだけが方法じゃないってのは知ってるッス」
ぐ、と、押さえる手に力を込める。
「けど、これが一番アンタを感じられる方法だってこともわかって欲しいんッスよ」
「切原…」
菊丸は、こてん、と肩口に降りてきた切原の癖のある髪に
唇を寄せた。

「…じゃあ、今日は泊まって行ってもいいよね?」
「?!」
驚いて顔を上げる切原に、菊丸は頬を赤らめ照れたように微笑んで見せた。

「…お泊まりグッズ、無駄にならなくて済むかな?」
連休の真ん中にコイビトの家を訪ねるって事で、
ちょっと期待してた。
などと言われては、
切原が舞い上がらないわけはない。
「ぜっ、
是非泊まってってください!」

自宅に誘ったのは下心があったからだ。
最初から泊まってって欲しかったが、さすがにそういう風には言えずにいた。
それなのに。
(まさに据え膳…?
先輩達ありがとーございます…!)

切原がキッカケであるゲームソフトをプレゼントしてくれた先輩達に
感謝の祈りを捧げている頃。


「…で、切原は本懐を遂げられると思うか?」
「88%の確率でゲームをして終わり、といった所だろうな。
何せ今日は御家族が在宅だったはずだ」
「ああ、それは、切原はともかく英二は気にするだろうな。
初めてなら尚の事。
それにご家族と話をするのを楽しみそうだ」
今回の真の黒幕は電話でそんな会話をしていて、
その予想は100%の確率で当たった。


+++++++++++++++++++++++++++++++++++

…ゴメン切原…。本懐を遂げるのはもうちょっと後…。
ちゅうがくせいだしね!
真田は何を買うか知らされてなくて幸村にお金だけ徴収されました。
ジャッカルは買いに行ってラッピングしてもらう係。
(いや、ゲームソフトの1/の値段分くらいは出せるだろうけど)
(って勝手にビンボ扱いするのもアレですか)


「世界=菊丸」発言をしたってネタは
タコキクファンブックさんに描かせてもらった漫画の話ですが
読んで無くても問題ないです。
| 小話;庭球 | 03:44 | comments(0) | - | pookmark |↑PAGE TOP
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