感想&突発小話

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感情複合
手塚と菊丸。九州に発つ直前。
手塚に苦言。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++


手塚が痛めた左肩の治療のため九州に旅立つ。
その前に、菊丸は、二人きりで話をする機会を作ることができた。



「左腕の怪我のこと聴いたよ。
大石から、試合中に。経緯も含めて」
「…そうか」
「あと大和部長…先輩にも、少し聴いた。
急だったから驚かれたけど。」
「大和先輩に?」
懐かしい名前に手塚は少し驚く。
「独りからの情報じゃ誤解しかねないから。
大石は手塚寄りだしね。
俺、最初に間違えてそのまま思い込んじゃうタイプだから」
「……そんなことはない、んじゃないのか」
手塚の見たところでは、最初に間違えたとしても
いとも簡単に軌道修正をしている風だ。
嫌いと評していたものをも、
気が付いたら好きになったりしているように見受けられる。
だが菊丸は首を振った。
「あははっ。そんなことあるって。
んでまあ、手塚を怒りに来た」
「怒る…?」

きちんと自分の言葉に反応を示す手塚に、
菊丸は薄く口元に笑みを浮かべた。
これから怒ろうというのに。

「手塚がどっかで間違っちゃったとしたら、
不器用なくせに気を遣おうなんてしたことだよ」
「……」
「…不器用なくせに。」
念を押すかのように重ねて言う。
自覚しろ、と言っているようだ。
結局微笑んだままのその表情は、
何故か慈愛に満ちているようにも見える。
手塚は一瞬そう思い、馬鹿な、とすぐさま打ち消す。
菊丸は笑顔を絶やさずに、だがしっとりと続ける。
「どうせ不器用なんだから、小細工なんてしなくて良かったんだ。
俺だって怒ってたんじゃないかな。
後輩が、勝手に自分との実力差をおもんばかって
本気を出さなかった…うんにゃ、
『利腕じゃないほうで』本気で戦ったなんて知ったらさ。
…さすがにラケットで利腕を殴るなんてことはしないだろうけどさ」
「……
そう、か」
「そ。
おチビも似たようなことしたみたいだけど、
あの子はアメリカで揉まれただけあってか
ふてぶてしさで逆に救われてる気がするかな。
まあ手塚にはおチビや跡べーの真似なんて無理なんだろうから、だから」
よく喋る、と、手塚は菊丸の口元をぼんやりと観ていた。
言われていることに反論はない。
確かにその通りなのだと思う。
だがあの時の自分にはあれが精一杯だった。
今ならその愚かさが多少なりにはわかる…わかっているつもりだが。

「…手塚は、息をするようにテニスをするよね。
多分おチビもそう。
だけどおチビと手塚はやっぱ違う」
だから、の続きではないような言葉に、手塚は手を止め菊丸を見つめる。
「俺は多分テニスをそんなふうにはできない。
だって当たり前のようにすることを
楽しいなんて思えないと思う」
「…何を言いたい」
「おチビはテニスそのものは呼吸をするようにするけど
でも強い相手を打ち負かすことを楽しんでる。
で、手塚は?
…手塚はテニスのどこが楽しくて何が好き?」
「……楽しくプレイする必要はあるのか?」
「質問を質問で返さないでよー。
うん、でも確にそれはないけど。
手塚のテニス観てると囲碁とか将棋みたいだから
そういう楽しみなのかなっても思う。
なんつーか、どの試合も自分と戦ってる、みたいな」
「…それで?」
「…俺は手塚と試合するといつも淋しい。」
泣き笑いのような表情で、
淋しいんだよ、と呟く菊丸に、
手塚の思考は停止する。
「…淋しい?」
「俺のこと―ううん、自分以外の誰をも観てないじゃん。
誰が相手でも同じように」
「……そんなことは」
「本当にない?」
「相手によって、戦い方も考えなくてはならない。
だから相手とちゃんと向き合ってるつもりだ」
「うん、それは『テニス選手として』ね。
人間としてちゃんと観てる?」
「…何がどう違う」
「跡部と戦った時。
跡べーが何を考えてたかわかってた?」
「…部のため、全国大会に歩を進めるために、
相手―俺の弱点を突いてきていたのだろう」
「それだけ?」
「他に何がある。
弱点を攻めるのは立派な戦術だ。
余計な感情が入り込む余地はないだろう。
全国に進みたいという想いは同じ部長として理解できるしな」
「でも跡部は万全な手塚と戦ってその上で勝ちたかったんだよ」
「……。
なぜそう思う」
「手塚のことライバルだって思ってるみたいだから。」
「どの選手もライバルだろう」
「…言うと思った。
まあ、試合は試合で
そんな個人的な感情とかはさんじゃ駄目なんだろうけどさ。
でもやっぱ淋しいよ。」

「あの試合で手塚の気持ちは痛いほど伝わったよ。
全国大会への想いは。
でも」
手塚はもはや菊丸に目も心も奪われていた。
いまだかつて彼が手塚に向けてここまで本音で話すことなどなかったから。
「もっとおチビを―俺達を信じて欲しかった。
あそこで棄権してもまだ先はあったんだし。
なにも」
言葉は途切れ、菊丸は唇を噛んでうつむく。
手塚は立ち上がり、そっとその傍らに移動した。

「なにも…遠くに治療に行かなきゃならないぐらいまで頑張ることなかったんだ」
「そうだな。
今は少し後悔している。」
「…え」
「己の戦いだと思ったから自分が後悔しないように最後までやり遂げたかった。
戦い抜きたかったが、
その事がお前を傷付けると知っていたなら
…もう少しやりようがあったかも知れん」
「てづか」
「すまない。
…有難う」
「…ホント『すまない』よ。
あーゆー戦い方は全国大会の決勝にやるべきじゃん。」
ようやく。
いつもの菊丸らしい、茶目っけたっぷりな笑顔に、
手塚は知らず口許を綻ばせた。
「そうだな」
「あんなに全国行きたがってた手塚が
途中リタイアじゃ意味ないじゃん」
「リタイアではない。
間に合うように戻って来る。」
「でも戻って来る前に」
手塚は菊丸の言葉を遮る。
「お前達は負けないだろう?」
「…負けないよ」
「ならば」
「うん。
安心して治療に専念してこいよ。
待ってるから」
「菊丸」
「いいよ。
手塚は表情が固くてテニス馬鹿で不器用で、でもそのままでいいよ。
だから…
だから俺は、
手塚に対してコンプレックスの固まりにならなくて済むから」
「……」
「プレイスタイルも性格もこんだけ違えば自分と比べるなんてバカらしくなるし」
「……不公平だな」
「…手塚?」
「俺はお前に対しては劣等感の塊だと言うのに」

本気としか思えない表情と言葉に、菊丸は驚く。
その言葉がまるで、菊丸に憧れを抱いていると、
そう告白しているような感じだった分、余計。
それが嬉しくもあり、悔しくもあった。
「…早く帰って来い、とは言わないからな。
間に合わなくてもいい。
ちゃんと治せよ」
「ああ。」
「完治してないまま帰ってきたりしたら送り返すかんな」
「肝に銘じておく。」
「手塚」
「何だ」
「…行ってらっしゃい。」
本当に言いたかったのはそれだけ。
その一言だけだった。
けれど言えそうに無かった。
だが手塚が、余りに真剣に菊丸の言葉を受け止めてくれたから。
「行ってくる。」
きっと待つことが出来る。



+++++++++++++++++++++++++++++++++++

って話を、大分前から書き掛けで放置してました。
前に使っていたPHS本体の中に。
多分本誌で比嘉(木手)と戦ってた時あたりからずっと。
だから決勝の真田戦でのアレはどうしてくれようかと。
本当にやりやがった…。
最後の一段落だけ今書きました。
なんとかまとまりましたか。無理ですか。
読み返してないから支離滅裂かもな…

本当は早朝の生徒会室にするつもりだったんだけど
ボーリングの翌日に九州に行ったんだよねー。
…じゃあボーリング後ってことで。夜遅く?

そして菊丸も人のこと言えないくらい対戦相手観てないよなー。
大石が怪我して以降。
六角戦はそうでもなかったけど、
関東大会の氷帝戦と、比嘉戦は顕著だった…。
| 小話;庭球 | 14:35 | comments(0) | - | pookmark |↑PAGE TOP
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