感想&突発小話

感想と小話とイベントレポとか。
本館や別館に移動した文は削除。
CALENDAR
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< November 2017 >>
SPONSORED LINKS
RECOMMEND
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
拍手

御礼絵5種【スクアーロ;14/山本・獄寺・骸・雲雀;+10】
ランダムで表示中。【本館と同じです】
カウンタ
ブログパーツUL5
MOBILE
qrcode
LINKS
PROFILE
OTHERS
無料ブログ作成サービス JUGEM
<< 穴で埋める 【紫火】 | main | bell the cat 【黒尾+夜久】 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |↑PAGE TOP
言伝てを届けましょう 【選抜チーム】
バレーボールしてません。男子高校生がわちゃわちゃしてる感じで友情とかで多分腐ってもない、筈。

大分前にネームを描いてみたもののいろいろ付け加えたくなったので文章になりました。

牛島さんと天童くんと夜久さん間の名前の呼び方については前作参照。



++++++++++++++++++


いい加減ミニゲームを始めたい、けれどそのためのチーム分けが決まらないと
主将である及川と副主将の夜久が顔を付き合わせ
あーでもないこーでもないと相談し始めた為
やることがなくなった他のメンバーは各各自主的に練習を始めた。

百沢は青根にブロックを教わり、
東峰はサーブの練習を始めた。
天童がどうしようかと悩んでる横で牛島が自分もサーブの練習をしようか、と動いたそんな時、
選抜チームが練習をしている体育館に、ひょこりと顔を覗かせた人物がいた。

最初に気付いたのは丁度その近くを歩いていた牛島だ。

「何か御用ですか?
……貴方は……」
見た感じの年齢と着ているジャージの色でなんとなくは予想ができたが、確認のため問い掛ける。
好好爺然とした笑顔を浮かべたその人物は
「音駒の監督をしている猫又という者なんだが。
邪魔して悪いな」
と名乗った。
牛島は予想が当たり、やはりそうか、と頷いた後で
「夜久がいつも世話になってます」
と深々と頭を下げた。

猫又は驚きながらもほうほうと愉しそうに笑みを深め
「若利くんいつから衛輔くんの身内になったの?!
逆! 逆!」
傍にいた天童が指摘した。
「逆、とは」
「フツー猫又監督さんが言うことでしょそーゆーのは」
「別に俺は夜久の世話をしていないが?」
「ソーダネーどっちかってーとされてる方だもんネー
ってそうじゃなくてー!」
「夜久に用事ですか?
呼んで来ますか?」
「聞いて! 若利くん!
……中に入って貰っていーんじゃナイ?」
自分の渾身の突っ込みをスルーされながらも、天童も猫又を気に掛ける。

猫又はゆるりと頭を横に振った。
「あまり交流のないメンバーの中でちゃんとやれているか気になっていたがどうやら問題ないようだな。
心配はしていなかったが。
ただこれを渡しに来たけだ。
急ぎではないが本人の為には早い方が良いと思ってな」
掲げて見せた書類サイズの封筒に、牛島は首を傾げる。
わざわざ持ってきたのなら急ぎの用ではないのだろうかと。
「それは?」
「課題だ。
選抜の練習で学校に出られない間のな。
授業に出られない分の宿題のようなものか」
「うひゃーそんなのあるの! 衛輔君大変!」
白鳥沢の二人はスポーツ特待生のためそういった課題はそうそう出されない。
だから、天童は大袈裟なまでに驚いたのだ。

「夜久に渡せばいいんですね?
では、俺がお預かりします。」
「いいのか?
ならお願いしようか」
「若利くん?」
その申し出を不思議がる天童に、牛島は夜久の方に視線を向けた。
及川と二人で顔を付き合わせて会議中である。
顔が見えなくても、真剣な様子が窺えた。

「あの話し合いは長くかかりそうだ」
「終わるまで待てそうにないが中断させるのも心苦しかったのでありがたい。
使い走りのような事を頼んで悪いな」
「いえ。お気になさらず。
任せてください」
きりっとした表情――は牛島の普段通りではあるが、それと力強い言葉に、猫又は安心してお願いすることにした。

じゃあ、と去っていった猫又の事に、その入り口に背を向けていた夜久は最後まで気づかなかったようだ。
それだけ話し合いに集中していたというのもあるだろう。

「若利くん、それ俺が持っていこうか?」
「請け負ったのは俺だ。
俺が責任を持って夜久に渡す」
「そお? でも別にいますぐじゃなくていんだろうしあの二人が離れてからでもいーんじゃないってもう行ってるし!」

天童は牛島には彼に対してあからさまなまでに敵意剥き出しな及川とはあまり接触させたくなかった。
少し過保護かなと思わなくもないが、
そういった感情に鈍感なのか慣れているのか頓着してなさそうな牛島だって、人間なのだから少しも傷つかないなんてことはないと思っている。
何かをきっかけに落ち込まないとも限らないため、なるべく目に見える悪意からは遠ざけてやりたい。
せめて、自分が近くにいるうちは。

試合の最中のそういった感情は負け惜しみだとかそういうものと天童自身はむしろ誇らしく感じるのだが。
牛島は畏怖されることに慣れているだろうが、及川のそれは嫌悪に近い。
同じチームにいるからか多少は軟化しているようだが。

しかし、明らかに夜久に向かって歩いていってる牛島を視認しながら
夜久の意識をそちらにいかせないようにしているのは。
「……いやまあ子供の意地悪程度だけどネーあのくらいは」
天童は、大事にはならないだろうと少し離れた場所で様子を見守る事にした。

「夜久」
「じゃあさー、こんなのどう?」
牛島の声に被せるように、及川はわざとらしく声のボリュームを上げ、かつ意識を自分に向けさせるような言葉を発した。
夜久はかすかに自分の名前を呼ぶ声が聴こえたのか振り返ろうとしたが、
及川が手元の資料を指したため視線がそちらに戻ってしまう。

「……」

もう一度、もっと大きな声で名を呼ぶ。

そうしても良かったのだが、牛島は、もっと手っ取り早い方法を思い付いた。
視界に入るように移動してもまた及川に妨害される可能性がある。
ならば。

意識を向けさせようと後ろから肩をぽんと叩いた上で、少し屈み
「夜久」
遮られないようにと耳許で名を呼んだ。
囁くように。

「ひゃいっ?!」
不意打ちで耳朶を擽った低音に夜久はびくんと背筋を伸ばすと、
その正体を確認するように身をよじり反転させながら口を寄せられた方の耳に手を当ててずさっと後退り牛島から距離を取った。

牛島は肩に置いた手をその形のままに、何が起きたのか瞬時には理解できず丸くした眼を瞬かせる。

夜久は、顔を朱く染めていた。
隠していない方の耳までも紅く色付いている。

「いっ、いきなり耳許で呼び掛けるな腰が抜ける! じゃなくて心臓に悪い!」

面白くないのは及川だ。
ちょっとした嫌がらせ程度の軽い気持ちで夜久に用があるらしい牛島を無視するような形を取っていたのに、
まさかの暴挙と夜久の反応に気分は急降下だ。
ほぼほぼ自業自得なのだが。
ちなみに、猫又の来訪には気づいていなかった。
牛島の用件がその橋渡しであることも。

なんとなく腹が立ったので
「ちょっと夜久ちゃん。
ウシワカちゃんにそのリアクションとか大袈裟過ぎない?」
牛島と同じように耳許でそう告げてみるが。
夜久は牛島の時と比べると平然ととも取れる態度で
「ならお前も若利の声で耳許で喋られてみろよ。
兵器だぞあれ」
と、あり得ない提案までしてくる始末だ。
「……まあ、声は悪くはないとは思うけどさ」
自分や夜久より数段も低い声質。
男らしいと言うか男臭いと言うか。

その事実がなんとなく気に喰わなくて、及川は独りでサーブの練習をしている東峰に目を向けた。
手を止めやりとりを眺めていたらしい東峰は、及川の意図を察し「無理無理無理無理無理無理」と高速で頭を横に振る。
意外と危機察知能力に長けているようだ。

ならばと百沢に実践を交えながらブロックを教えている青根に矛先を変え、手招きした。
素直な青根は、何事かとのこのこ呼び寄せられる。
残念ながら及川の企みには気づかなかったらしい。
わかっていたなら何か言われる前に東峰のように最初から拒否していただろう。

その間に牛島は猫又に預かった書類を夜久に渡すと言うミッションを完遂たせていた。
夜久は、猫又が来ていたと聞き、話せなくて残念だと少し落ち込んだが、それを天童に
「なになに衛輔くん監督大好きっ子なの?」
とからかうように訊かれ反論しかけたが
「俺も鍛治くん好きだけどね!
選抜練習の間逢えなくてあの怒声が聴こえないのが物足りないっていうか結構サミシーんだよねー」
と同意され、浮上した。
選抜チームには今のところ指導者は不在だ。
だからこそ主将の及川があれこれ頭を悩ませている。

「青根ちゃん。ちょっとお願いがあるんだけど」
「……?
!」
夜久に聴こえないようにとこそこそと告げられた言葉に、青根は顔色を変えぶんぶんと頭を横に振る。
「難しいことじゃないでしょ?
コミュニケーションの一環と思ってやってみてよ」
「……っ」
無茶な言い分だとわかっていながら、青根はこくりと渋渋頷いた。
これが同輩の二口であったなら嬉々としてやったのかもなと此処にはいない人物を思い浮かべながら。

青根はこれからすることに申し訳なさを覚えたのか巨体を縮こまらせながらそっと夜久に近づいた。
及川に言われた通りに、背後から。

そして意を決し
「……夜久、さん」
と名を呼ぶ。
「〜っ!」
反射的に耳を隠すように手でおおい振り向いた夜久の顔は真っ赤だった。
「あ、あおねか!」
驚いた、と脱力する夜久に、深く頭を下げて見せる。
「すみません」
「いや、いいけど。こっちこそ過剰に反応して悪いな。
何か用なのか?」
そう尋ねられ、青根は更に頭を低くした。
「……すみません」
「なんで?
なんにしろ頭上げろって用がなかったんだとしても別に怒んないから!
悪戯か? でもお前が自主的にそんなことするヤツとは――」
顔を上げた青根が視線で示すより早く、
夜久も牛島も天童も及川を凝視した。

「……ちょっとしたお茶目?
ったあ?!」
てへ、とおどけて笑う及川に一発ローキックをお見舞いし、夜久は「これでチャラな」と、まだ上気した頬のままで睨んだ。

痛みに蹲る及川を「大丈夫か」と労る牛島を、アレ及川にはある意味追い討ちダヨネーと横目で見ながら天童は
「衛輔くん低い声に弱いの?」
と尋ねた。
耳が弱いなら及川にも反応しただろうに、それはなかったようなので。
「若利のは初めてやられて耐性なかったからだと思う。
青根のは、聴き馴染みのない声に驚いて、更に青根だったってことに吃驚した」
「あー、まあそうかー」
「予期しない背後からの不意討ちはお前でも驚くだろ?」
「えー? どーかなー?」
「……ならいつか隙を見て試してやろうか、と思ったけど背伸びしないと無理だな……」
「残念でしたー」
「代わりを若利に頼むか」
「それはヤメテ!」

願いも虚しく、夜久は牛島に天童を呼びに行かせる機会が出来た時に
俺にしたように後ろから耳許で名前呼んでやれ、と助言した。
さして疑問も抱かず実行に移した牛島の声の破壊力に崩れ落ちた天童の姿に、
自分が犠牲者になるのを恐れた及川は牛島に耳ポソ禁止令を出した。

「だがみみぽその意味がわからない」
「そうか?
わかりやすいっちゃわかり易いけどな。
他人の耳許で喋るなってことだろ」
「……」
夜久に説明され黙りこんだ牛島を、天童は珍しい、と思い、もしかして、とまさかと思いつつ
「若利くんちょっと楽しかった?」
と尋ねた。

「……かも知れないな」

その返事に、夜久は及川に対し御愁傷様、と呟いた。
天童が牛島に及川に対し実行する許可を出す未来が見えてしまったがために。




【封筒の中身はなんでしょう】


猫又が持ってきた封筒を開け中身を確認した夜久は、思わず嘆息した。
「……やけに量が多いと思ったら、黒尾の分も入ってるのか。
一緒のクラスだし課題の内容同じなんだろうけど」
「あー。なんか、あっちのチームこっち以上に結構なカオスだもんね?」
渡す隙がなさそう、と夜久の言葉を拾った及川に、東峰は眉を下げる。
半分以上チームメイトで、騒がしいのが二人ばかりとその中の一人につられて盛り上がってしまうのがもう一人いるにはいるが。
「大地がいるのになあ……」
「岩ちゃんもいるけどそれだけじゃ止まらないみたいだね。
こっちのチームが大人しく思えるよ」
牛島はふむ。と唇に手を当て首を傾げる。
「……見習うべきか?」
「若利が? なんでそんな結論に?
めっちゃ見たいけどアレは真似しちゃ駄目なヤツだと思うぞ……」

夜久は、こうして軽口を叩けるぐらいに気安くなれた事を嬉しく思いながら、
真面目な後輩二人もこの輪の中に入れたいな、と、秘かに野望を抱いた。
| 小話;その他 | 06:35 | comments(0) | - | pookmark |↑PAGE TOP
スポンサーサイト
| - | 06:35 | - | - | pookmark |↑PAGE TOP
コメント
コメントする